コラム

2025.01.28

ウイスキー用語「カスクフィニッシュ」とは?|特徴や魅力を解説

  • ウイスキー知識

ウイスキーの奥深さを楽しむ中で「カスクフィニッシュ」という言葉を目にすることが増えてきました。この手法はウイスキーの風味や香りを豊かにし、飲む人に驚きと感動を与えるアプローチです。
本記事では「カスクフィニッシュ」の意味や、どのような樽が使用されているか、さらには代表的な商品を例に挙げて、その魅力に迫ります。

カスクフィニッシュとは?

「カスクフィニッシュ」とは、ウイスキーの熟成工程で特定の期間、異なる種類の樽に移し替えて仕上げる製法の事です。通常の熟成を終えた後に別の樽で追加熟成を行うことで、新たな香りや風味の層を加えられます。カスクフィニッシュは、1990年代にスコットランドで広まり、今では世界中で採用されている製法です。

例えば、バーボン樽で熟成した後シェリー樽に移してフィニッシュさせたウイスキーは、ドライフルーツのような甘みやナッツの香ばしさが特徴です。カスクフィニッシュは、ユニークで複雑なキャラクターを付与することができるため、注目されています。

カスクフィニッシュによく使われる樽

カスクフィニッシュには、さまざまな種類の樽が使用されます。樽の種類による香りや味わいの違いを知ることで、ウイスキーをより深く楽しむことができるでしょう。

シェリー樽オロロソやペドロヒメネス、フィノなどが有名。シェリー樽は、レーズンや干しプラムのようなリッチな甘みをウイスキーに加える傾向があります。
ポートワイン樽ポルトガルの「ポートワイン」を熟成していた樽を使用すると、赤いベリーやチョコレートのようなフルーティーでスイートなニュアンスが加わります。
ラム樽ラム樽を使用したウイスキーは、トロピカルフルーツやモラセス(黒蜜)のような甘く芳醇な香りが特徴です。
ワイン樽赤ワインや白ワインを熟成した樽を用いると、フルーティーで酸味のある複雑な味わいが特徴です。また、ソーテルヌなどの甘口ワインの樽を使用すると、フルーティな甘みが加えられます。

これらの樽を選ぶプロセスは、ウイスキーの個性をどのように引き出したいかという熟成の芸術そのものです。

カスクフィニッシュをしているシングルモルト

シングルモルトウイスキーはカスクフィニッシュを取り入れているウイスキーも数多くあります。例えば、デュワーズのキーモルトである「ロイヤルブラックラ」は、シェリー樽でフィニッシュしていることが特徴。シェリー樽による複雑でリッチなフレーバーがお楽しみいただけます。

まとめ

カスクフィニッシュは、ウイスキーの可能性を広げる魅力的な手法です。熟成を経てさらに樽で仕上げられることで、ウイスキーは多層的で個性豊かな味わいを獲得します。シングルモルトからブレンデッドまで、多彩な商品が登場しており、ウイスキー愛好者の心を掴んでいます。

ぜひ、カスクフィニッシュされたウイスキーを試して、新しい味覚体験を楽しんでみてください!