ウイスキーの種類【アイルランド編】
緑豊かなアイルランドで育まれた「アイリッシュウイスキー」は、なめらかな味わいと軽やかな飲み心地が特徴のウイスキーです。
ウイスキーづくりの長い歴史をもつアイルランドでは、伝統的な製法でウイスキーがつくられる一方、世界市場を視野に入れた新しい味わいのウイスキーも製造されています。
今回はそのアイリッシュウイスキーの世界にスポットを当て、その定義と種類を紹介します。
アイリッシュウイスキーの定義
アイルランドでつくられる「アイリッシュウイスキー」は、法令により次のように定められています。
- 穀物類を原料とする
- 麦芽の酵素で糖化し、酵母で発酵を行う
- アイルランド共和国、または北アイルランドにおいて、アルコール度数94.8%未満で蒸留する
- 木製の樽に詰める
- アイルランド共和国、または北アイルランドの倉庫で3年以上熟成させる
(樽を移動した場合は、両地域での累積熟成年数が3年以上)
アイリッシュウイスキーの種類
アイリッシュウイスキーには、次の4種類のウイスキーがあります。
- ポットスチルウイスキー
- モルトウイスキー
- グレーンウイスキー
- ブレンデッドウイスキー
ポットスチルウイスキー
ポットスチルウイスキーは伝統的なアイリッシュウイスキーで、大麦麦芽(モルト)と未発芽の大麦でつくられます。単式蒸留器による3回蒸留で製造されるのが一般的で、アイルランド特有のウイスキーといえるでしょう。原料にオート麦や小麦、ライ麦が加えられることもあり、使用するモルトは「ノンピート(ピートを焚かないモルト)」が基本です。
3回蒸留によるなめらかな味わいが特徴で、単一の蒸留所でつくられたものは「シングルポットスチルウイスキー」と呼ばれます。
モルトウイスキー
モルトウイスキーは大麦麦芽(モルト)100%のウイスキーで、単式蒸留器で3回、または2回蒸留されたウイスキーです。単一の蒸留所でつくられると「シングルモルトウイスキー」となります。
グレーンウイスキー
グレーンウイスキーの原料は、大麦麦芽(モルト)にトウモロコシや未発芽の大麦といった穀類を加えたものです。連続式蒸留機で蒸留され、単一の蒸留所でつくられると「シングルグレーンウイスキー」となります。
ブレンデッドウイスキー
ブレンデッドウイスキーは「ポットスチルウイスキー」「モルトウイスキー」「グレーンウイスキー」のうち、2種類以上がブレンドされたウイスキーです。
組み合わせは「ポットスチルとグレーン」「モルトとグレーン」が一般的で、ライトボディですっきりした味わいの銘柄が多くあります。
スモーキーフレーバーはないのが一般的で、非常に飲みやすいウイスキーといえるでしょう。
最後に
アイリッシュウイスキーの定義と種類を紹介しました。
伝統的なポットスチルウイスキーから、多様な味わいのブレンデッドウイスキーまで幅広い銘柄があり、基本的にはライトな飲み心地であることがアイリッシュウイスキーの特徴といえるでしょう。
アイルランドの自然と長い歴史が生んだアイリッシュウイスキーを、ぜひ一度味わってみてください。