コラム

2024.09.21

「トワイスアップ」とは? ウイスキーと常温の水だけで広がるウイスキーの可能性

  • ウイスキー知識

ウイスキーの飲み方の一つ「トワイスアップ」。日本人には聞き馴染みのない飲み方だと思いますが、ウイスキー好きの中ではウイスキーを楽しむ代表的な飲み方となっています。
ウイスキーと水を割る飲み方ですが、ストレートや水割りとの違いはなんでしょうか?
今回は「トワイスアップ」について詳しく解説していきます。

トワイスアップとは?

トワイスアップとは、ウイスキーと常温の水を1:1で割った飲み方のことです。2倍(Twice)と水なし(Straight up)という2つの言葉が由来となっています。水とウイスキーだけとシンプルですが、ウイスキーの隠れた香りや味わいを引き出すことができる飲み方です。蒸留所やブレンダーでも香りや味わいを確認するためにトワイスアップにすることがあり、ストレートとは違った魅力があると言われています。

【関連記事】ウイスキーをストレートで楽しむときのポイント

【トワイスアップの作り方】

ウイスキーテイスティンググラスにウイスキーを注ぐ

⇩⇩

常温の水を注ぐ

トワイスアップの特徴

トワイスアップの特徴は、「飲みやすくなること」と「芳香が楽しめること」です。

同量の水で割ることで、アルコール度数が半分ほど下がり飲みやすくなります。特に日本人にとってアルコール度数40%のスピリッツが一般的でありません。日本酒や焼酎に近いアルコール度数20%前後のトワイスアップの方がなじみのあるアルコール感となるでしょう。するとウイスキー本来の味わいも感じやすくなり、ストレートでは楽しめなかった銘柄でもトワイスアップならご堪能できると思います。

またウイスキーのようにアルコール度数の高い飲料は、液中のアルコールに香り成分が溶けこんでいます。この香り成分は、加水されアルコール度数が下がることで液面に浮上。香り成分が液面に集まることで、ストレートより芳香が楽しめることがあるのです。
また氷を入れず、常温の水を加えることもポイント。冷えるほど香りは感じにくくなるため、常温の水であればウイスキー本来の香りを損なわず、楽しむことができます。

トワイスアップと水割りの違い

トワイスアップと水割りはともにウイスキーを水で割る飲み方ですが、「氷の有無」と「ウイスキーと水の比率」が大きく違います。

 トワイスアップは常温の水をウイスキーと同じ量だけ加えていますが、水割りは氷を入れたグラスにウイスキーを注ぎ、2~2.5倍の水で割ることが一般的です。水割りは氷が入り水の割り量が増えることで、よりアルコール感が薄れ飲みやすくなります。ところがトワイスアップと比べてウイスキーの香りは感じにくいです。
ウイスキー本来の味わい・香りをしっかりと楽しみたいなら「トワイスアップ」、度数を下げてウイスキーを楽しむなら「水割りがおすすめです。

 ちなみに氷を入れて同量の水で割った飲み方は「ハーフロック」と言い、ほどよいアルコール感と香りを楽しむことができる飲み方となっています。