ウイスキーの原料とは?味わいを決める3つの要素
ウイスキーはシンプルな原料からつくられる、味わい深い蒸留酒です。その味わいを決める主要な原料とは、「穀物」「水」「酵母」の3つ。
ウイスキーの個性を形成する3つの原料を、詳しく見ていきましょう。
1.穀物
ウイスキーの原料となる穀物には「大麦麦芽」「トウモロコシ」「ライ麦」といった種類があります。使用する穀物の種類や割合が、ウイスキーの味わいに影響します。
大麦麦芽
大麦麦芽は発芽した大麦のことで、いわゆる「モルト(malt)」と呼ばれるものです。大麦の種類は「二条大麦」と「六条大麦」の2種。主に使用されるのはデンプン含有量の豊富な「二条大麦」ですが、「六条大麦」を原料としたウイスキーもつくられています。
大麦麦芽のみでつくられているウイスキーは「モルトウイスキー」とも呼ばれます。
大麦麦芽以外の穀物
大麦麦芽以外の原料には「トウモロコシ」「ライ麦」「小麦」「未発芽の大麦」などが挙げられます。これらの穀物(grain)各種を原料につくられるウイスキーが「グレーンウイスキー」です。
トウモロコシはアメリカンウイスキーである「バーボン」の主原料でもあり、一般的に「デントコーン」という品種が使用されています。トウモロコシの含有量が多いウイスキーはまろやかでほのかに甘く、一方、ライ麦が多く含まれるとスパイシーでドライな風味となる傾向にあります。
2.水
水は、ウイスキーをつくるさまざまな工程で大量に使用されます。「仕込み水」とも呼ばれ、良質な天然水はウイスキーづくりに欠かせません。
多くの蒸留所が河川や泉の近くに建設されているのは「仕込み水」の確保のためで、水の質はウイスキーの味わいに大きく影響します。
仕込み水はミネラルの含有量によって「硬水」「軟水」に分けられ、日本やスコットランドの水は軟水、アメリカは硬水が主流です。ただし、同じスコットランドでも軟水を使用している蒸留所もあれば、硬水を使用している所もあり、仕込み水の硬度は蒸留所によって異なります。
3.酵母
酵母は、糖を分解してアルコールと二酸化炭素を生成する微生物菌類で、イースト菌ともいわれます。酵母は発酵過程で芳香成分を生み出し、ウイスキーに豊かな香りをもたらす重要な要素です。
数多くの種類が存在し、使用する酵母によって発酵時間や香味の特徴が異なります。そのため、蒸留所は自社銘柄の個性に合わせた酵母を選んで使用しているのです。
1種類の酵母のみを使用する蒸所もあれば、複数の酵母を組み合わせている所もあり、蒸留所は銘柄の個性に合わせて酵母を選んでいます。
最後に
ウイスキーの味わいを決める要素、「穀物」「水」「酵母」を紹介しました。これら3つのシンプルな原料が、ウイスキーの個性を形成しています。
次にウイスキーを味わう際には、ぜひ原料にも注目してみてください。穀物の種類や水質を意識することで、これまでとは違った視点でウイスキーを楽しめるのではないでしょうか。
原料と味わいの関係を知れば知るほど、ウイスキーをより深く味わえます。さまざまな角度からウイスキーの世界を楽しんでみてください。