コラム

2024.09.03

スコッチウイスキーの6大産地とは

  • ウイスキー知識

スコットランドでつくられる「スコッチウイスキー」は、豊かな香りと味わいで世界中の愛好家を魅了しています。そんなスコッチの魅力のひとつは、生産地域によって異なる多彩な風味。
スコットランドには6つの主要なウイスキー生産地域があり、それぞれが独自の特徴を持っています。
これら6大産地の味わいの違いを解説しましょう。

スコッチウイスキーとは

スコッチウイスキーとは、スコットランドで製造され、オーク樽で3年以上熟成された蒸留酒です。他にも様々な定義がありますが、代表的なものは上記になります。
原料はモルト(大麦麦芽)をはじめとする穀物で、糖化・発酵・蒸留・熟成などの工程を経て製造されています。地域によって水質や原料、熟成環境などが異なるため、それが要因となって地域特有のスコッチが生まれます。

6大産地と味わいの特徴

スコッチの主な生産地域は、次の6つです。

・ハイランド
・スペイサイド
・アイラ
・ローランド
・キャンベルタウン
・アイランズ

ハイランド
ハイランドはスコットランド北部に位置する地域です。
デュワーズのキーモルトである「アバフェルディ蒸溜所」「ロイヤル・ブラックラ蒸溜所」「マクダフ蒸溜所」などがあります。
6大産地の中ではもっとも広い面積をほこり、その広大な地域ゆえにつくられるウイスキーは多様性に富んでいます。バランスの良いウイスキーから重厚でスモーキーな銘柄、マイルドでソフトな銘柄など、さまざまなウイスキーが生産されている地域です。

スペイサイド
スペイサイドは、スコットランド北東部にあるスぺイ川周辺の地域です。
フルーティーでエレガントな味わい、バランスの取れた銘柄が数多くつくられています。
多くの蒸留所が集中する生産地域であり「ウイスキーの聖地」とも呼ばれているスペイサイド。
デュワーズのキーモルトをつくる「クライゲラキ蒸溜所」「オルトモア蒸溜所」も、このウイスキーの聖地に位置しています。

アイラ
アイラは人口わずか3,000人台の小さな島で、スコットランド・ヘブリディーズ諸島の最南端に位置します。島では「ピート」と呼ばれる泥炭が豊富に採れ、つくられるウイスキーはピート由来の強烈な香味を持っています。ヨード香や潮の香りも特徴のひとつであり、世界中に熱心なファンが多く見られるのがアイラ産のスコッチです。

ローランド
スコットランド南部のローランドは、エジンバラやグラスゴーといった主要都市のある都会的な地域です。グレーンウイスキーの生産が盛んな地域ですが、モルトウイスキーも生産されており、その味わいは軽やかでドライと言われています。
3回蒸留により、エレガントな味わいに仕上げられている銘柄も存在します。

キャンベルタウン
キャンベルタウンは、ハイランド南部にあるキンタイア半島の先端付近に位置している町です。かつて「ウイスキーの首都」と呼ばれた港町で、全盛期は30ほどの蒸留所がありました。
しかし20世紀初頭、消費者の好みの変化や、恐慌・米国の禁酒法といった世情が重なり、ウイスキー産業は衰退。
現在、キャンベルタウンで稼働している蒸留所は3カ所のみとなりました。キャンベルタウンのスコッチは、海風の影響を受けた独特の塩味とオイリーさを持ち、多くの人々を魅了しています。

アイランズ
アイランズは、アイラ島を除くスコットランド周辺の島々のことで、オークニー諸島やスカイ島といった島々があります。島ごとに個性や味わいは異なるものの、いずれも海の影響による塩気やスモーキーな風味、オイリーな味わいが特徴です。

最後に

6大産地が生み出す味わいの多彩さは、スコッチウイスキーの魅力のひとつです。それぞれの地域が持つ個性を知ることで、スコッチをより一層楽しめるのではないでしょうか。

各地域のスコッチを飲み比べながら、ぜひお気に入りの産地を見つけてみてください。