コラム

2024.06.28

少しの水で香味が変わる!?ウイスキーをストレートで楽しむときのポイント

  • ウイスキー知識

ウイスキーに何も加えることない飲み方「ストレート」。ウイスキーの飲み方の中では、ハードルが高くマニア向けの印象を受けるでしょう。
ただ飲み方を知ったうえでウイスキーを味わってみると、最もその銘柄の魅力に触れることができる飲み方です。今回は、ウイスキーのストレートについて詳しく解説していこうと思います。

ストレートとは

ほとんどのウイスキーは、作り手がアルコール度数を意図的に調節してボトリングしています。度数の高さが、香りの体験に与える影響は絶大です。多くのウイスキー銘柄は、すでに「そのまま飲んでも美味しい」味わいにしていると言えるでしょう。つまり、ストレートは最も作り手の意図が味わえる飲み方といえるのです。
ちなみに「ストレート」は海外では一般的な呼び方ではありません。「ニート」と呼ばれることが多く、「きちんとした」「気ままに」といった意味を持っています。もともと気ままにゆっくり楽しむものなのかもしれませんね。他にもスコットランドでは「ネイキッド(裸の)」と呼ばれることもあります。

ストレートで飲むときのポイント

いかにそのまま飲んでも美味しい味わいに調整しているとはいえ、ウイスキーは高アルコール度数なので一気に飲んでしまうと危険です。また、ゆっくり少しずつ飲まないとウイスキーの良さがわからなくなってしまいます。

《ウイスキーをストレートで飲むときのポイント》
1. いきなりグラスに鼻を近づけず、少し離したところからゆっくり香りを楽しむ。
2. グラスを回して空気に触れさせながら、香りの変化を確かめてみる。
3. 少しだけ口に含んで、フレーバーの広がりと余韻を楽しむ。
4. 数滴だけ水を入れて、味わいの変化を確かめてみる。
5. チェイサーで口の中をリフレッシュさせながら。

ゆっくり飲むことで、ウイスキーの輪郭がわかると思います。個性的なシングルモルトはもちろん、ブレンデッドウイスキーも複層的に重ねられた巧みなバランスが楽しめるかもしれません。ぜひ作り手を想像しながらお楽みください。

1滴の水で香りや味わいが変わる!?

ウイスキーのストレートは、作り手の意図を感じるだけでなく加水によって変化する香り・味わいも楽しみ方の一つです。中には1滴の水でガラッと香りや味わいが変わる銘柄もあります。
 香りや味わいが変化する理由は、ウイスキーが高アルコール度数で香り成分を多く含んでいるからです。ウイスキーに加水すると、アルコールに溶けている一部の成分が液の表面に浮いてくると言われています。その中には香りに影響を与える成分が含まれており、香りや味わいが変わるのです。
 ウイスキーファンの中には、スポイトを用意して少しずつ加水する人もいます。ウイスキーのストレートを楽しむときは、1滴ずつ加水しながら香りの変化をご体験ください。