コラム

2024.11.11

ウイスキーの種類【スコットランド編】

  • ウイスキー知識

ウイスキーの規定や種類は生産地によって異なり、呼び名や特徴にも違いがあります。今回はウイスキーの一大産地であるスコットランドに焦点を当て、スコッチウイスキーの種類を解説します。

スコッチの定義

「スコッチ」とはスコットランドでつくられたウイスキーの総称で、英国の法令では次のように定められています。

  • 原料は「水」「酵母」「大麦麦芽や他の穀物」とする
  • 糖化・発酵・蒸留は、スコットランドの蒸留所で行う
  • アルコール度数94.8%未満で蒸留する
  • 熟成は、容量700リットル以下のオーク樽に詰めて行う
  • スコットランドの保税倉庫で3年以上熟成させる
  • 水と色調整のカラメル以外の添加は認めない
  • 瓶詰めはアルコール度数40%以上で行う

スコッチは原料や製法、添加物について細かく規定されています。
この厳しい基準があるからこそ、スコッチの品質や味わいは高く保持されているのです。

スコッチの種類

スコッチは原料と製法の違いにより、大きく3つのカテゴリーに分けられます。

  • モルトウイスキー
  • グレーンウイスキー
  • ブレンデッドウイスキー

モルトウイスキー

モルトウイスキーとは大麦麦芽(モルト)100%でつくられたスコッチで、次の2つに分けられます。

  • シングルモルトウイスキー
  • ブレンデッドモルトウイスキー(ヴァッテッドモルトウイスキー)

「シングルモルトウイスキー」とは、単一の蒸留所において、ポットスチルでつくられたモルトウイスキーのことです。シングルモルトは蒸留所や生産地域の特徴が色濃く表れるため、個性を楽しめるウイスキーといえるでしょう。

一方の「ブレンデッドモルトウイスキー」とは、複数の蒸留所でつくられた2種類以上のシングルモルトをブレンドしたウイスキーです。

グレーンウイスキー

グレーンウイスキーの原料は大麦麦芽を含むさまざまな穀物(グレーン)で、次の2つに分けられます。

  • シングルグレーンウイスキー
  • ブレンデッドグレーンウイスキー

単一の蒸留所でつくられたグレーンウイスキーが「シングルグレーンウイスキー」で、複数の蒸留所でつくられた2種類以上のシングルグレーンをブレンドしたものが「ブレンデッドグレーンウイスキー」です。モルトウイスキーよりもマイルドな風味を持っていることが、グレーンウイスキーの特徴です。

ただしグレーンウイスキーは、次に紹介する「ブレンデッドウイスキー」をつくるために製造されるケースが多く、グレーンウイスキー単体で製品化されることは、あまりありません。

ブレンデッドウイスキー

ブレンデッドウイスキーとは、1種類以上のモルトウイスキーと、1種類以上のグレーンウイスキーをブレンドしたウイスキーです。個性的なモルトウイスキーに、マイルドなグレーンウイスキーをブレンドすることで、多くの人が飲みやすい味・飲み飽きない味に調整されています。

ブレンデッドウイスキーは創業者にちなんで名づけられるケースが多く、「デュワーズ」の名前も、創業したデュワー一族が由来となっています。

最後に

スコッチウイスキーの定義と種類を紹介しました。

モルトウイスキーの個性的な風味から、ブレンデッドウイスキーのバランスの良い味わいまで、スコッチウイスキーの味は実に多彩です。多種多様のスコッチの中からさまざまな種類を味わって、ぜひその違いを楽しんでみてください。